HIV・エイズについて

「HIVはウィルスの名前」
「エイズは病気を発症した状態のことです」

HIVとは、

Human
Immunodeficiency
Virus
の頭文字をとったものです。

日本語名は「ヒト免疫不全ウイルス」といいます。

エイズ(AIDS)とは、

Acquired
Immuno
Deficiency
Syndrome
の頭文字をとったものです。

日本語では、「後天性免疫不全症候群」といいます。

HIVに感染して、免疫機能が低下すると、体内に侵入してくる
普通ならなんでもない弱い細菌・カビ・原虫に感染しやすくなったり(日和見感染症)、悪性腫瘍もできやすくなります。
こうして発症する疾患のうち、代表的な指標となる疾患を発症した時点で、エイズ発症と診断されます。

感染=発病ではありません

HIVに感染してから数年、あるいは10年、さらにそれ以上の期間、症状があまりなく、発病しない潜伏期間があります(無症候期)。HIV感染に気づかないでいると、病気への抵抗力はだんだん弱っていきます。
感染直後に、インフルエンザに似た症状が一時的に出ることがありますが、自覚症状ではわからないことが多いようです。

無症状でも感染させる力があります

症状がまったく出ない期間でも感染する力はあります。
本人も気付かないうちに、人にうつしてしまう可能性があります。体からHIVを完全になくすことは、現在の医学では難しいのですが、ウイルスの感染を早く見つけ、適切な治療をすれば発病を抑えて、健康な人と変わらない生活を送ることができます。

感染経路

HIVの感染経路は主に3つです。

1.性行為による感染
HIVに感染した、男性の精液や女性の膣分泌液、血液を感染源として、性器や肛門、口などの粘膜を通して、パートナーに感染します。

2.血液を介しての感染
HIVが存在する血液の輸血、または麻薬などの回しうちによる、
注射器の共用などによって感染します。

3.お母さんから赤ちゃんへの母子感染
妊娠中の母親の胎内、出産時に血液などで感染する可能性があります。また、母乳での感染も報告されています。
※感染経路は上の3つで、中でも性的接触によるものが9割前後を占めています。

HIV感染を予防するには

  1. 性行為での感染を予防するには、無防備な性行為はさける。性交・オーラルセックス(口腔性交)・アナルセックス(肛門性交)の際は必ずコンドームを使用する。
  2. 血液を介しての感染を予防するには、血液に直接触れないようにする。注射器の共用をしない(麻薬の回し打ちなど)。
  3. 母子感染を予防するには、日本では母子感染のリスクを医学的に軽減できるので、専門医に相談しましょう。

こんなことでは感染しません

HIVは一般的に感染力が弱いウイルスです。
熱や消毒などに弱く、人間の体内でなければ、通常は生きていけません。
セックス以外の日常生活では、接触による感染・空気感染の心配はありません。

コンドームの正しい使用のしかた

コンドームは粘膜と体液(精液・膣分泌液)の接触を避けるためには最も有効な防具ですが、注意しながら正しく使うことが大切です。
※傷つけると破れることがあるので丁寧に扱う
※一度使用したコンドームは捨てる
※摩擦の多いところ(財布や定期入れなど)に入れない
※保管時は高温、日光、防虫剤を避ける
※使用期限以内か確認する
※勃起したらすぐ着けよう

  1. 爪を立てないようにして精液だめの空気をぬく
  2. 勃起したペニスの皮を根元までたぐりよせる
  3. コンドームを途中まで巻きおろす
  4. かぶせた部分を亀頭部分によせ、根元であまっている皮膚がはるようにしてコンドームを根元までおろす

AIDS発症を防ぐ

治療の進歩によって、現在ではさまざまな治療薬が出ており、きちんと服薬することでAIDS発症を防ぐことが可能になっています。AIDS発症を防ぐには、早期発見と早期治療が重要です。